2012年 11月 03日
新旭を訪れたのは、「針江の川端(かばた)」を見学するためでした。 【針江の川端(かばた)】 新旭の針江地区に伝わる、水の文化。 比良山系に降った雪、雨が伏流水となり各家庭から非常に綺麗な水がコンコンと湧き出ており、人々はこの自噴する清らかな水を飲料や炊事と言った日常生活に利用している。このシステムを針江では川端(かばた)と呼んでいる。 また、生きた水、生かされている水ということから、湧水のことを「生水(しょうず)」と呼ぶ。 今回の近江路・ビワイチの旅を遂行するに当たり、自主的に決めたテーマの一つが、 〇人と水との関わり・暮らしぶりを見る というものでしたので、 もう何がなんでも「針江の川端(かばた)」を見たい!見なければならない!と一人で熱意を燃やしていたのでした。 そして、実は今回の旅のスケジュールもこの見学時間に合わせて組み立てたようなものなのです。 そう、川端(かばた)を見学するには、あらかじめ予約が必要なのです。 そして決められた時間に集合して、「生水の郷委員会」のガイドさんについていかないと見学できないシステムになっています。 だって、川端(かばた)は各家庭の敷地内で台所として今も利用している場所ですし、完全にプライベートなエリアを見学することになりますので、ことわりなしに立ち入る事はできませんからね。 見学の予約については、こちらから。 →☆☆☆ 私が見学するのは、A「川端と街並コース」。 約1時間半の行程です。 平日だったので、もしかすると見学人は私一人か?と思っていたのですが、なんと10人も集まりました。 夏はもっと多く、時には小学生の団体なども利用されるそうです。 人気があるのですね~。 名札と、竹製コップ(これはお土産として持ち帰れます)を首から下げて、さあ、ガイドさんに連れられてかばた探索に出発です! まずは公民館前を流れる針江大川から。 一見、何の変哲もない川のように見えますが、梅花藻の群生地であります。 清水にしか生育しないという梅花藻は、夏に花を咲かせますが、ここ針江の梅花藻は水が一定の温度で保たれているため、1年中開花が見られるそうです。 確かにこの日、数は少ないながらも小さな花が咲いているのを見つけました。 以前、滋賀県の醒ヶ井で梅花藻を見た時の様子はこちらです。 →☆☆☆ 道路沿いに突如現れるかばた。 以前ここに建っていた家が解体された後も、かばただけが残っている、というものも多いそうです。 川の水は滔々と流れています。 川岸には容易に降りられるようにできており、親水性が保たれています。 一般家庭のかばた。 一番右の溜りがまず最初に地下からの湧水が出てくる壺池といい、そこからあふれ出した水を端池といういけすに貯え、そこで洗い物をするとのこと。 最後は鯉の泳ぐ外の水路とつながっています。 鯉が泳いでいるの、見えます? 鯉は雑食、油モノも食べてくれます。 一番の好物はカレーなのだとか(笑)。 ちなみに、錦鯉は体が弱いそうなので、ここではもっぱら真鯉が活躍。 こんな風にガヤガヤと見学。 こちらはお庭というかガレージの一画にかばたが作られていました。 外川端といいます。 ガイドさんのお話がまたお上手で。 かばたの歴史、町の生活などを聞きながら、次のかばたを目指します。 時に、風に揺られるコスモスを眺めながら。。 とても楽しい町歩き♪ こちらは家の中に作られた内川端。 湧水を取り出す井戸の深さは約23m。 水温は年中約13度くらい。 外の水路で沢ガニ発見! 真ん中あたりに・・・見えますでしょうか? 他にもお魚がうようよ泳いでいます。 季節と場所によりますが、鯉に鮎、ニジマスにイワナ、ビワコオオナマズにオオサンショウウオ。 よしのごり、という地元のお魚もたくさん泳いでいました。 小さな水車は、イモ洗い。 中にお芋を入れると、ガラガラ回るうちに皮が剥けるという。 祠の前でもコンコンと水が湧いています。 高島は綿の産地、織物の町。 民家の軒下でハンカチや靴下などが売られていました。 水道水と地下水の飲み比べができます。 この辺りの水道水は京都や大阪のそれと比べると遥かに美味しいと思うのですが、それでも地下水は明らかに違います! 口に含んだ時の透明感、清涼感、キレのあるのど越し。。 こちらは解放感溢れるかばたですね。 こちらは正伝寺というお寺の中にあった長寿の水。 もちろん、いただきました(笑)。 ツアーの最初に頂いた竹製のコップで、各かばたの水を飲み比べしているのですが、 不思議なことにそれぞれ微妙に違うのですね。 よく、硬質とか軟質とかいいますが、まさにそれが実感できます。 ちなみに男性は硬質を好み、女性は軟質を好むとか。 かばたを利用したお豆腐屋さんに到着。 創業100年になるという、上原豆腐店です。 冷たくてきれいな水にひたひたと浸かる木綿豆腐。 うーん美味しそう! とヨダレを垂らしていると(笑)、ツアーのお一人が皆さんに御馳走してくださいました! お店のおばちゃんがお豆腐を取り出してくださいます。 お醤油とお箸も用意してくださいました。 それでは、いただきます! パクリ! ずっしりとした重量感。 素朴ながらお豆の味がしっかり。 食べ応えがあります。 とても美味しくいただきました。 ありがとうございました! さて、ツアーも終盤。 各家庭のかばたを見ながら帰路につきます。 こちらはタイルで囲ったお洒落なかばた。 こちらは和風なかばた。 皆それぞれ個性があって、見ているだけでも楽しいですね♪ 出発地点の針江公民館に戻ってきました。 目印の大きな水車が回っています。 もともと熱望していたかばたツアーでしたので、思わず写真の枚数も多くなってしまいましたが、 いや~よかった! 楽しかった! 大満足です。 また行きたい!と思いましたよ。。 こうした伝統と暮らしを守り続けるのには、意識の高さもさることながら、並々ならぬ努力や苦労がおありかと思います。 敬服いたします。 ほんとにいつまでも守り続けてほしい大切な暮らし、だと思います。 今回は貴重な体験をさせていただき、ありがとうございました!
by esu-san
| 2012-11-03 17:40
| 近江路・ビワイチ旅紀行
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