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2011年 10月 27日

近江路・仏女ブロガー旅紀行 10 ~伊勢廻寺~

1日目午後のブロガーツアー。 
最初の訪問先は「伊勢廻寺」です。 いせばじ、と読みます。

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【伊勢廻寺】
 元は天台宗の観音寺と称したと伝えられるが、後に真言宗に宗旨替えした。
 また、伊勢の国の野登寺から移してきたとも言われる。
  
この名前からも分かるように、この辺りは滋賀・琵琶湖よりも三重県・伊勢の方が地理的にも文化的にもより近くに感じられるようです。

さて、ここでは“仏像修理ワークショップ”が開かれます。
なに?それ?
ワクワクしますね♪




その前に、まずはご本尊様にご対面。
普段は非公開の秘仏なのですが、今回は特別に拝観させていただきました。
写真撮影も特別に許可をいただいております。

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【本尊十一面観音】
 重要文化財 南北朝時代 像高147.5cm
 檜の寄木造り。中は空洞となっている。
 左手に水瓶、右手に錫杖を持っているのは珍しく、長谷寺式十一面観音と呼ばれる。

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この衣の滑らかさの見事なほどの表現。。
風に吹かれてフワリフワリと今にも波打ちそうです。

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【不動明王】
 重要文化財 鎌倉時代 像高164cm
 檜の寄木造り。片目を瞑り、牙も左右非対称であるという、真言宗独自の表情をされている。

ほんとうはもう1躯、毘沙門天がおられるのですが、毘沙門天はただいま京都の美術院にて修復中。

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よって、向かって左に立っておられた毘沙門天がお留守となっています。
聞くところによりますと、来年3月頃には修理も終えて帰ってらっしゃるそうです。
ぜひ、この三躯が揃ったところを見てみたい…
でもここは、普段は非公開なのです…

さ、次はいよいよ仏像修理ワークショップです。

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今日は京都の美術院の職員様に来ていただき、直々に仏像修復のあれこれを説明していただきました。
こういったことは滅多にされないそうです。ありがとうございました。

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毛先が非常に柔らかい刷毛を使って埃を払ったり…

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こちらはセロファンを丸めて自作した虫穴修理道具。
合成樹脂に木粉を混ぜて、虫穴のひとつひとつに埋め込んでいきます。

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実際に実演もしていただきました。
そしてなんと、我々ブロガーも虫穴修理を体験しました!
もちろん、本物の仏像を触るわけにはいきませんので、デモ用の木材ですが。
非常に根気と集中力が必要とされる大変な作業であることを実感。
実際の修理作業では、これを何日も何日も続けられるそうです。 
そして…

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こいつらが虫穴の元凶。 けしからんのです。

その他にも、補修材は後に今の時代に補修したことが分かるように、必ず尾州ヒノキを使用することになっていること、
後の世に補修しやすいように、今回の補修箇所はわざと剥がれ易くしておくこと、
美術院は見学を受け付けていないこと、
ただし、お寺の関係者になればもしかして…

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などなど、1時間の滞在では尽きせぬ、興味深いお話の数々。

まだまだもっと詳しく知りたい、仏像修理を体験したい、秘仏にお会いしたい!
という方のために、朝日旅行からツアーが遂行されるそうです。
→ 朝日旅行「近江の御仏 伊勢廻寺と名宝への誘い」
ご興味のある方、いかがでしょうか?

by esu-san | 2011-10-27 00:40 | 近江路・仏女ブロガー旅紀行


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